ボストン響(11/3)と謎の看板

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どうも。本日の感想

 

サブ1:Britten / "Sinfonia da Requiem", Opus 20

サブ2:Sibelius / "Tapiora", tone poem for orchestra, Opus 112

メイン:Ades / "TOTENTANZ" for Mezzo-Soprano, Baritone, and Orchestra

Conducter: Thomas Ades

Mezzo-Soprano: Chrustianne Stotjin

Baritone: Mark Stone

 

前半2曲はこれからの寒さを思わせるような、底冷えとまではいかないけれど青白い世界を表現している。

要は、ウトウトしていました・・・日頃の勉強、結構大変なんですよ。今回は20:00スタートでしたし・・・

とはいえ、ネルソンスやこの前のDutiotのような音楽とは違い、ボストン響がかつてウリにしていた流麗さ溢れる心地良い演奏でした。

 

メインはこの指揮者作曲のメゾソプラノバリトンのコンチェルトで世界初演だとか。内容は前回の青髭と違って、字幕があっても難解でした。現代音楽と古典音楽、そして歌を融合させた曲でしたが、初演ということもありオケサイドもどのような伴奏をすればいいか少し迷っていた印象。特にパーカッションなんて10人くらいいてほとんどがエキストラでしょうからね・・・

 

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コンサートが始まる前、こんな看板を見つけました。

何故もっと早く気づかなかったんでしょうかね・・・早速連絡です。

 

「$200なら、まだあるで」

 

母ちゃん、ごめんよ

即決しました。

 

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そしてお洒落なグラスとカップを入手。

 

タダ券に感謝。

ボストン響(10/28)

どうも、クラリネットをボストンに持ってきたけどほぼ触ってない人間です。

 

本題を書く前に一言・・・

10/27 の深夜のこと。宿泊先の部屋のドアのオートロックのドアが壊れました。

7時間ほどホテルのフロントで待機してました。おしまい。

 

さて、本題です。

 

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誤字があるとまずいなと思ったので写真で。

注目は、演奏会形式の「青ひげ公の城」です。

ボストン響での初演は当時の音楽監督の小澤征爾が1980年に指揮した時のもので、彼はこのオペラをサイトウキネンで取り扱うなど何かと気に入っていたようです。

 

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メンバーシップを結んでいる大学の学生ならば、申し込みをすると

College Card を入手できます。

申し込みはボストン響のホームページから行えます。料金は$25です。

住まいにお届けされるまでに2週間程度かかりました。まぁ、気長に待ちましょう。

 

これを手に入れると、毎週月曜日にHPに発表orメールで発表されるかもしれない、無料券をGetすることが出来ます。残席数によっては無料券が出ない場合もあり、火・木・金・土とあるコンサートのチケットをどのタイミングで購入するかは、学生にとっては結構な賭けになります。

前回記事で紹介したチケット窓口で、College cardと学生証を見せると、チケットを頂くことが出来ます。

clatakano.hatenablog.com

 

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タダ券にも関わらず、前から6列目(笑)

今回は金曜日の昼公演(1:30)で、客入りは7割程度。

混んでなく、ゆっくり聴けるのでお昼の公演はオススメかもしれません。

 

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モーツァルトの39番を聴き終わると休憩でしたので、ガラガラな2階バルコニーへ移動。歌手が前に来るので、聴きやすいかな、と思って。

(注:全席指定。日本でやるとバイトの音大生に怒られます。ボストン?怒られなかったよ。優しいね。)

 

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モーツァルト

お昼ご飯をお腹いっぱい食べた後、皆さんどんな気分になりますか?

といった指揮と演奏を繰り広げる1楽章に、「私は30時間くらい寝てないんですが、もしかしてあなたがたも?」と心の中で囁きました。

 

しかし、2楽章からの巻き返しがスゴイ。もうお昼寝の時間であろう御年80歳の指揮者をコンマスがリード。テンポが安定しない指揮者を抜群のアンサンブルで支えていく。多少アインザッツが合わないのはコンサートの中日だからご愛嬌ですかね。合わなくても一瞬のうちに何事もなかったかのようになるのですが。

特に、Principale ClarinetのMr.Hudginsと2nd.のMr.Wayneのコンビネーションは絶品で、柔らかい音色で会場を包んでおりました。

 

【青ひげ】

予習もせずに挑みました。英語字幕が付いており、とてもわかりやすくなっていました。

 

この城には7つの扉があり、青ひげ公の秘密が隠されているそれらを新妻が探索していくというアドベンチャー。実際そんな軽い話ではなく、殺人コレクション厨という猟奇的な性癖を持つ青ひげ公の被害者となるべくこの女性は城に呼ばれたのでしょう。おそらくパラレルワールドです。輪廻です。「SIREN New Translation」というゲームと仕組みは同じです。この新妻が第七の扉に入ることをためらえば、また1から世界がリセットされるのでしょう。愛だか恋だか知りませんが、所詮それらは欲望です。真実の愛なんてね、儚きかな。

(注:以上は筆者の勝手な想像によるフィクションであり、ベラ・バルトーク氏の描いているオペラ「青ひげ公の城」の世界観における事実とは異なっている可能性が高すぎます。この点につきまして、ご理解と温かい目で見守って頂くというご協力を頂けますと幸いです。SIRENの引用は、バルトーク氏の名前であるベラから思いつきました。深くお詫び申し上げます。)

 

まるでコミカルさを欠いたティム・バートン作品のような暗い世界が1時間以上も続き、メランコリーというよりもハロウィンの持つダークなイメージがぴったりかもしれません。結局プロットの確認すらしていないので、この作品における事実は分からずじまいですが、自分の解釈で音楽を楽しむというのもいいんではないですかね?芸術ですから。

 

女性歌手は演奏会形式で動けないという制約がつきながらも、表情で悲壮さや愛の深さを表現しており、共感を持てました。

オケはどんだけ音量の幅あるんですかというレベルで静かになったりド迫力になったり。この表現の広さがクセになるんですよね。

 

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世間はハロウィンで、昨日も仮装した学生がどんちゃん騒ぎしてました。こっちにはハロウィン専門ストアみたいなのもあるくらいです。

 

とても敷居が高いと勝手に思っていたボストン響。どんどん親しんでいけてる気がします。これも勝手ながらですけど。

 

ほな。

ボストン響(9/24)

初投稿ですが何か。

 

ボストンに短期留学している目的の一つであるボストン交響楽団

BSO(Boston Symphony Orchestra)の略称で親しまれています。

 

9/24から16-17シーズンがスタートするということで、さすがにその日のコンサートのチケットは売り切れてるだろうと思ったら、インターネット曰く

「$100でならあるで」

とのことだったので、日本のプロオケの相場に比べたら遥かに高い値段で聴きに行くことに・・・

 

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BSO Gara Concert

Conducter: Andres Nelsons

Piano: Lang Lang

 

Shostakovich: Festival Overture,opus96

Prokoviev: Piano Concerto No.3, opus26

Mussorgsky: Pictures at An Exibition

 

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*1

 

BSOの本拠地のSymphony Hall(大阪じゃない)のアクセスは、MBTAというマサチューセッツ州の運営している鉄道のGreen Lineの「E」という路線の「Symphony」という駅です。うん、分かりやすい。

B,C,D路線の駅である「Hynes Convention Center」という駅からが、Boston University(留学先)からの乗り換えの都合とか考えると便利ですね。その近くにはNew Berry Streetというボストンの表参道的なとこもあるので、何かといいですよ。

 

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オンライン購入したチケットなどを受け取る窓口ですね。

予約の詳細が書かれたメールを印刷(こちらがオススメ)orスマホ画面提示することで、チケットを受け取れます。

ボストンの要注意事項ですが、パスポートが何をするにも必須です。学生証は身分証にならない!!ここでも「ID見せてや」と言われて、パスポートで身分確認をされました。

 

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いざ会場入り。さすがに興奮しました(笑)

日本の立派なコンサートホールのような図々しい構えと謎のエントランスなどを省いた簡素な作り・・・だがそこがいい!ってやつですね。

ガラコンサートということもあり、クラッシクファンよりもスポンサーの家族であったり富裕層かな?という来客が目立ちました。

 

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【感想】

1. ショスタコ 祝典序曲

個人的に思い入れのある曲(トランペットのファンファーレ後のクラリネットのフレーズは、ソロじゃなくて3本のユニゾンなんだよ。難しいんだよ)で、冒頭のトランペットから顔がにんまりと。休暇明けお疲れ様ですなのか、ファンファーレのTp.2ndあたりの音が一瞬出てなくて、そこだけ音が薄くなりヒヤヒヤとさせられました。

いやぁ、しかし名演でした。

響きにくいように感じたこのホールでの演奏方法を熟知したかのように、管楽器がエネルギッシュに吹くかと思えば、弦楽器はアクティブに体を動かし、音を全身で表現していく。

3Fの両翼の客席にバンダTb.などがセッティングされており、この曲独特の高揚感がどんどん押し寄せる演奏でした。

 

2. ランラン

世界最高峰の中国人ピアニストのピアコン。

ひな壇のないホールなこともあり、ランラン自身からオケメンバーに積極的なコミュニケーションを取っていた。ネルソンスさんはあまりコンチェルトが得意でないのかな・・・?もうランランのための40分でした。

オーボエの1st.で副主席奏者の若尾さんが、この曲の木管泣かせのソロパッセージのコンビネーションを主導して、いいアンサンブルをしていました。スゲェ。

 

3. 展覧会

ネルソンスおじさんの真骨頂が発揮されたというか。数あるプロムナードは派手すぎず重厚感のあるように演奏し、最後のキエフまでオケを暴れさせないようにうまくコントロールしていた。この曲は好きでないのだけど(組曲が好きじゃない)、上手く聴かせるなぁという演奏でした。

 

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拍手・カーテンコールもアメリカ流で長いのなんの(笑)

でも、そうしたくなるほどの演奏とエネルギーをもらえるのだから。

 

College Card という$25払っとけば、BSOが指定するコンサートならタダでいいよカードを手に入れたので、次回はきっとそれで見に行った演奏会のことを書くと思います。

 

ほな。

 

*1:ネルソンスがこんな風に手を広げてる看板が多くあるのを見て、あぁ、と思ったあなたはファザコンです。実物は西武の和田が無精髭ボーボーといったところ