ボストン響(10/28)
どうも、クラリネットをボストンに持ってきたけどほぼ触ってない人間です。
本題を書く前に一言・・・
10/27 の深夜のこと。宿泊先の部屋のドアのオートロックのドアが壊れました。
7時間ほどホテルのフロントで待機してました。おしまい。
さて、本題です。
誤字があるとまずいなと思ったので写真で。
注目は、演奏会形式の「青ひげ公の城」です。
ボストン響での初演は当時の音楽監督の小澤征爾が1980年に指揮した時のもので、彼はこのオペラをサイトウキネンで取り扱うなど何かと気に入っていたようです。
メンバーシップを結んでいる大学の学生ならば、申し込みをすると
College Card を入手できます。
申し込みはボストン響のホームページから行えます。料金は$25です。
住まいにお届けされるまでに2週間程度かかりました。まぁ、気長に待ちましょう。
これを手に入れると、毎週月曜日にHPに発表orメールで発表されるかもしれない、無料券をGetすることが出来ます。残席数によっては無料券が出ない場合もあり、火・木・金・土とあるコンサートのチケットをどのタイミングで購入するかは、学生にとっては結構な賭けになります。
前回記事で紹介したチケット窓口で、College cardと学生証を見せると、チケットを頂くことが出来ます。
タダ券にも関わらず、前から6列目(笑)
今回は金曜日の昼公演(1:30)で、客入りは7割程度。
混んでなく、ゆっくり聴けるのでお昼の公演はオススメかもしれません。
モーツァルトの39番を聴き終わると休憩でしたので、ガラガラな2階バルコニーへ移動。歌手が前に来るので、聴きやすいかな、と思って。
(注:全席指定。日本でやるとバイトの音大生に怒られます。ボストン?怒られなかったよ。優しいね。)
【モーツァルト】
お昼ご飯をお腹いっぱい食べた後、皆さんどんな気分になりますか?
といった指揮と演奏を繰り広げる1楽章に、「私は30時間くらい寝てないんですが、もしかしてあなたがたも?」と心の中で囁きました。
しかし、2楽章からの巻き返しがスゴイ。もうお昼寝の時間であろう御年80歳の指揮者をコンマスがリード。テンポが安定しない指揮者を抜群のアンサンブルで支えていく。多少アインザッツが合わないのはコンサートの中日だからご愛嬌ですかね。合わなくても一瞬のうちに何事もなかったかのようになるのですが。
特に、Principale ClarinetのMr.Hudginsと2nd.のMr.Wayneのコンビネーションは絶品で、柔らかい音色で会場を包んでおりました。
【青ひげ】
予習もせずに挑みました。英語字幕が付いており、とてもわかりやすくなっていました。
この城には7つの扉があり、青ひげ公の秘密が隠されているそれらを新妻が探索していくというアドベンチャー。実際そんな軽い話ではなく、殺人コレクション厨という猟奇的な性癖を持つ青ひげ公の被害者となるべくこの女性は城に呼ばれたのでしょう。おそらくパラレルワールドです。輪廻です。「SIREN New Translation」というゲームと仕組みは同じです。この新妻が第七の扉に入ることをためらえば、また1から世界がリセットされるのでしょう。愛だか恋だか知りませんが、所詮それらは欲望です。真実の愛なんてね、儚きかな。
(注:以上は筆者の勝手な想像によるフィクションであり、ベラ・バルトーク氏の描いているオペラ「青ひげ公の城」の世界観における事実とは異なっている可能性が高すぎます。この点につきまして、ご理解と温かい目で見守って頂くというご協力を頂けますと幸いです。SIRENの引用は、バルトーク氏の名前であるベラから思いつきました。深くお詫び申し上げます。)
まるでコミカルさを欠いたティム・バートン作品のような暗い世界が1時間以上も続き、メランコリーというよりもハロウィンの持つダークなイメージがぴったりかもしれません。結局プロットの確認すらしていないので、この作品における事実は分からずじまいですが、自分の解釈で音楽を楽しむというのもいいんではないですかね?芸術ですから。
女性歌手は演奏会形式で動けないという制約がつきながらも、表情で悲壮さや愛の深さを表現しており、共感を持てました。
オケはどんだけ音量の幅あるんですかというレベルで静かになったりド迫力になったり。この表現の広さがクセになるんですよね。
世間はハロウィンで、昨日も仮装した学生がどんちゃん騒ぎしてました。こっちにはハロウィン専門ストアみたいなのもあるくらいです。
とても敷居が高いと勝手に思っていたボストン響。どんどん親しんでいけてる気がします。これも勝手ながらですけど。
ほな。